ある臨床心理士のココロノウチ

自分自身の自己一致をめざして、なるべく心の中を正直に、思ったことや感じたことを素直に記して行こうと思います。

春のゆううつ

毎年、春が近づくと憂うつになるのは、私の場合、夫の死を思い出すからだ。

3月半ばに夫は病気で亡くなった。入院してから10日目のことだった。50歳の命だった。退院後の生活について医師と話していたにも関わらず、容態が急変した。

亡くなる数日前に、夫が自分でするはずだった確定申告を、私が代理でギリギリ済ませた。

今は、私が自分の確定申告をするようになり、税務署に行く季節が来ると、当時のことを思い出す。

亡くなった人は、生きているとき以上に、私の心の中にいるような気がする。

先に亡くなる人は、少しうらやましい。ずるいような気もする。

死を持って、生きている人の心に棲みつくような気がするから。

私は無精者なので、仏壇に供え物などはあまりしないし、なんなら、お茶も変えないことさえある。でも、1日として忘れたことはない。心の中では、いつも会話している。

あと何十年、私はこのような生活をして生きていくのだろう。

未来は分からないけれど、命のある限りは生きていく。

春は私にとって、いろんな感情の波が打ち寄せてくる季節なんだなぁ。