ある臨床心理士のココロノウチ

自分自身の自己一致をめざして、なるべく心の中を正直に、思ったことや感じたことを素直に記して行こうと思います。

子と母の間で

最近のSCの面談で、後から思ったことがある。

先に中学生の女子の面談があった。

後から母親もSC面談に来ることを知っていたその子は、面談の終了間際に「今話したことは、お母さんに話してもらっていいので…」と言った。

とっさに私は、本人に「このことだけは、お母さんに話してもいいかな」と確認する必要がなくなった。ある意味助かる、と思ってしまった。

母親面談で、娘の気持ちや今の状態をSCである私から知った母親は安堵し、涙を流して、喜ぶ姿が見られた。

私自身は母子の仲を取り持ったような、ちょっといい気分を味わった。

けれど、後から振り返ったとき、違った見方が自分の中に湧いてきた。

これまでも、母親は、娘のことが良く分からない、と子育てに関する不安を訴えてきた。

一方、女子は、周囲とのコミュニケーションがあまり得意ではなく、おそらく愛着形成の段階で、アンビバレントな行動をとってきたのだろう。周囲からは、一見分かりにくいコミュニケーションの様式をとっていると思われた。

SCとして私自身が二人の間に入るのではなく、女子自身が素直な気持ちを母親に直接表現するような機会を設ける努力をすべきだったのではないか、と後から反省したのだった。

次回は、女子が自分の素直な気持ちを、周囲に開いていけいるようにすることが課題だということを、忘れないようにしようと思った。